ジャージは乾燥機にかけても大丈夫？縮みを防ぐ方法と正しいお手入れ法

ジャージを洗ったあと、「乾燥機に入れても大丈夫かな？」と迷った経験はありませんか。

実は、ジャージは乾燥機との相性があまりよくありません。

多くのジャージには「タンブル乾燥禁止」の表示があり、高温による縮みや毛羽立ち、ツヤの消失といったトラブルを招くことがあります。

ただし、急ぎで乾かしたいときや、少しだけ縮ませたいときなど、正しい方法を知っておけば上手に乾燥機を使うことも可能です。

この記事では、ジャージを乾燥機にかけるとどうなるのか、その仕組みや素材別の影響、安全な使い方を徹底的に解説します。

また、あえて縮ませたい場合の手順や、長持ちさせるお手入れ法まで紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ジャージを乾燥機にかけても大丈夫？基本の考え方

ジャージを洗濯したあと、乾燥機に入れてもいいのか迷う方は多いですよね。

ここでは、乾燥機を使う前に知っておきたい基本の考え方と、避けるべき理由について解説します。

乾燥機は基本NG！その理由とは

結論から言うと、ジャージを乾燥機にかけるのは基本的にNGです。

多くのジャージには「タンブル乾燥禁止（乾燥機使用不可）」のマークがついています。

乾燥機は約60〜80℃という高温で衣類の水分を飛ばすため、熱に弱い素材にとっては大きなダメージになります。

とくにポリエステルなどの化学繊維は、熱によって変形・縮みが起きやすい素材です。

結果として、ジャージのサイズが小さくなったり、生地のツヤが失われてゴワついたりすることがあります。

さらに、乾燥中に生地同士がこすれて毛羽立ちや静電気の原因になることもあります。

影響	内容
縮み	熱によって繊維が元に戻り、小さくなる
毛羽立ち	摩擦による繊維の毛羽立ち
シワ	高温で固まるようにシワが残る
ツヤの消失	繊維表面が劣化し光沢がなくなる

乾燥機を使うとどうなる？生地へのダメージを解説

乾燥機を使うと、一見早く乾いて便利そうですが、実際にはジャージの寿命を縮めるリスクがあります。

ジャージのような編み物（ニット）構造の生地は、熱と回転の影響を強く受けます。

そのため、目に見えないレベルで繊維がちぎれたり、伸縮性が落ちたりするのです。

また、プリントやワッペンが付いたタイプのジャージは、熱で接着剤が溶けることもあります。

乾燥機の便利さよりも、生地への負担の方が大きいと考えた方がよいでしょう。

なぜジャージは乾燥機で縮むのか？仕組みを理解しよう

ここでは、ジャージが乾燥機で縮む科学的な理由について説明します。

なぜ高温にすると繊維が短くなってしまうのか、そのメカニズムを知ることで納得できるはずです。

「延伸処理」とは？繊維が元に戻るメカニズム

ジャージの多くは、ポリエステルなどの合成繊維で作られています。

これらの繊維は、製造の途中で「延伸処理」という引き伸ばし工程を受けています。

延伸によって繊維は強くなりますが、同時に「無理やり伸ばされた状態」で固定されています。

乾燥機の高温と回転運動によって、その繊維が元の長さに戻ろうとするのです。

つまり、繊維一本一本が収縮することで、結果的にジャージ全体が縮んでしまうというわけです。

工程	内容
延伸	繊維を引き伸ばして強度を高める
固定	伸ばした状態で冷却し、形を保持
加熱（乾燥機）	再び熱を与えると、繊維が元に戻る

ポリエステル・綿・ウール素材別の影響比較表

素材によって、乾燥機による影響は大きく異なります。

下の表で、代表的な素材の特徴を比較してみましょう。

素材	乾燥機の影響	縮みやすさ
ポリエステル	熱で変形・収縮しやすい	中〜高
綿（コットン）	繊維が水分を含みやすく、熱で縮む	高
ウール	高温でフェルト化（固まる）する	非常に高い

素材によっては、少しの熱でも大きく縮む場合があります。

特にウール混のジャージは、乾燥機に入れると取り返しのつかない変形が起こるため要注意です。

素材を確認してからお手入れ方法を選ぶことが、長持ちさせる第一歩です。

どうしても乾燥機を使いたいときの注意点

雨の日や急いでいるときなど、どうしても乾燥機を使いたくなる場面はありますよね。

ここでは、ジャージをできるだけ傷めずに乾燥機を使うためのポイントを解説します。

温度設定と時間を調整するポイント

まず、乾燥機を使う場合は低温モードを選びましょう。

最近の乾燥機には「デリケート乾燥」「低温乾燥」などのモードがあり、これは衣類への熱ダメージを軽減できます。

目安としては、温度を60℃以下に抑え、時間も20〜30分程度にするのが理想です。

また、完全に乾かそうとせずに、少し湿った状態で取り出して自然乾燥で仕上げるのもおすすめです。

こうすることで、生地の縮みや硬化を防ぐことができます。

設定項目	おすすめ条件
温度	60℃以下（低温モード）
時間	20〜30分
仕上げ	軽く湿った状態で取り出し、陰干し

ダメージを最小限に抑える乾燥機の使い方

乾燥機に入れる前に、ジャージを裏返してネットに入れるのが基本です。

こうすることで、摩擦による毛羽立ちを防ぎやすくなります。

また、乾燥機の中に柔軟剤シートを1枚入れると、静電気の発生を減らせます。

乾燥後はすぐに取り出し、シワを軽く伸ばしてから干すことで形を保てます。

乾燥機は「完全乾燥」ではなく「補助的に使う」意識が大切です。

ポイント	理由
裏返してネットに入れる	摩擦・毛羽立ちを防ぐ
柔軟剤シートを使用	静電気の発生を防ぐ
短時間で切り上げる	熱ダメージを最小化
すぐに取り出す	シワの定着を防ぐ

あえてジャージを縮ませたい場合の方法

「ジャージが大きすぎる」「もう少しフィット感がほしい」と感じる場合、あえて乾燥機で縮ませる方法もあります。

ただし、思ったより縮まない場合や、逆に予想以上に小さくなることもあるため注意が必要です。

乾燥機で縮ませる具体的な手順

ここでは、できるだけ安全にジャージを縮ませたい場合の手順を紹介します。

手順	やること	ポイント
STEP1	水に浸す	洗剤は使わず、水だけで濡らす
STEP2	脱水する	水が垂れない程度に脱水（通常モードでOK）
STEP3	乾燥機にかける	高温モードで30〜50分を目安に設定

もし「少しだけ縮ませたい」場合は、低温モードで短時間に設定しましょう。

逆に「しっかり縮ませたい」なら、高温モードで長めに乾燥させると効果的です。

ただし、思ったより縮みすぎるリスクもあるため、試すときは必ず古いジャージや安価なものから挑戦しましょう。

失敗しないためのコツと注意点

乾燥機での縮み具合は、素材や繊維の密度によって大きく変わります。

最初からうまくいかなくても、段階的に試すのがおすすめです。

また、乾燥直後に強く引っ張ると繊維が歪むため、冷めるまで待つのがコツです。

「ちょっとずつ試す」姿勢が一番安全と覚えておきましょう。

やってはいけないこと	理由
一度に長時間乾燥させる	急激に縮み、形が崩れる
熱いまま引っ張る	繊維が変形する
柔軟剤を多く使う	コーティングされて縮みにくくなる

ジャージを長持ちさせるためのお手入れ法

お気に入りのジャージを長く着るためには、日頃のケアがとても大切です。

ここでは、縮みや型崩れを防ぐための洗濯・干し方・保管のコツを紹介します。

正しい洗濯と干し方

まず、ジャージを洗うときは洗濯ネットに入れて裏返すのが基本です。

これだけで摩擦が減り、毛羽立ちやツヤの劣化を防ぐことができます。

洗剤は中性洗剤（おしゃれ着用）を選ぶと、繊維への負担が少なくなります。

脱水は短時間にして、水分が軽く残るくらいで取り出しましょう。

そのあとは風通しの良い日陰に干すのがベストです。

直射日光は繊維を硬くしたり、色あせの原因になるため避けてください。

お手入れ項目	ポイント
洗濯ネット使用	摩擦を防ぎ、毛羽立ちを軽減
中性洗剤を使用	繊維への負担を最小限にする
脱水は短時間	シワや縮みを防ぐ
日陰干し	色あせ・硬化を防ぐ

型崩れ・毛羽立ちを防ぐ日常ケア

洗濯以外でも、日常のちょっとした工夫でジャージは長持ちします。

たとえば、着たあとはハンガーにかけて湿気を飛ばすだけでも効果的です。

また、収納時は畳まずに吊るすことで、シワや型崩れを防げます。

毛羽立ちが目立つ場合は、衣類用ブラシで軽く整えるのがおすすめです。

「洗うより整える」ケアを習慣にすることで、素材本来の風合いを保つことができます。

ケア方法	効果
ハンガーにかけて湿気を取る	ニオイ・カビ防止
吊るして収納	シワや型崩れ防止
衣類ブラシで整える	毛羽立ち防止、ツヤを維持

まとめ：ジャージは基本は自然乾燥がベスト

ここまで、ジャージと乾燥機の関係について詳しく見てきました。

改めて整理すると、乾燥機は便利ですが、ジャージにはダメージが大きいことが分かります。

乾燥機を避けることで長く着られる

乾燥機を使わずに自然乾燥するだけで、繊維の劣化を大きく防げます。

とくにポリエステルやウール混のジャージは、熱で縮むリスクが高いため要注意です。

また、自然乾燥なら型崩れしにくく、ツヤも長持ちします。

乾燥機を使う場合は、低温で短時間に抑え、ダメージを最小限にするよう意識しましょう。

「急がず、丁寧に乾かす」ことが結果的に一番の近道です。

乾燥方法	メリット	デメリット
自然乾燥	縮まない・風合いが保たれる	時間がかかる
乾燥機（低温）	短時間で乾く	多少の縮みや変形のリスク
乾燥機（高温）	強く縮む（意図的に使う場合のみ）	生地が傷みやすい

もし縮ませたいなら慎重に行おう

サイズを調整したい場合は、必ず段階的に乾燥機を使うようにしましょう。

試す前に素材を確認し、低温から始めるのが安全です。

そして、「思い通りにいかないこともある」と理解しておくことが大切です。

最終的には、自然乾燥がジャージにとって最良の選択であることを覚えておきましょう。