ラジオを楽しんでいるときに「FMは入るのに、なぜかAMだけが聞こえない…」と困った経験はありませんか?お気に入りの番組が聴けなくなると、つい「ラジオが壊れたのかも」と不安になりますよね。
でも実際には、本体の故障よりも周囲の環境や設定のちょっとした違いが原因であることが多いんです。たとえば、建物の構造や家電から出るノイズ、アンテナの向きや置き場所、さらには昼と夜での電波の届き方の違いなど、思いもよらない要因で受信状態が左右されます。
そこで本記事では、「AMだけ入らない」ときにまず確認したいチェックリストから、実際に効果があった改善方法、さらにradikoやワイドFMといった便利な代替手段まで幅広くご紹介します。ちょっとした工夫や環境の見直しで、ラジオはもっと快適に楽しめるようになりますよ。
まず確認!AMが入らないときのチェックリスト

場所・時間帯をメモして傾向をつかもう
「いつ・どこで・どんな状況で」聞こえなかったかを簡単に記録しておくと、原因の絞り込みがぐっと楽になります。AMは環境の影響を受けやすいので、小さな差もヒントになります。
日時(例:9/30 昼) | 場所(例:寝室・窓際) | 症状(例:雑音が強い) | 周辺の家電/天候(例:電子レンジ使用・雨) | メモ |
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例:「朝は聞こえるのに昼は雑音」「窓際はOK、壁際はNG」「雨の日だけノイズ増」など。
すぐに試せる簡易チェック
- 基本設定:電源・ボリューム・ミュート状態を確認。音量が小さすぎるだけのこともあります。
- FMの動作確認:FMが普通に入れば、本体の致命的な故障ではない可能性が高めです。
- 向き・置き場所:内蔵アンテナ機なら本体の向きをゆっくり変える、外付けアンテナ機なら接続ゆるみ・接触不良を確認。
- 場所替えテスト:同じ部屋でも窓際/壁際/別室で受信状態が変わるかを比較。建材や遮蔽物の影響を受けることがあります。
- 周辺機器の影響:Wi-Fiルーター、電子レンジ、IH、PCモニターなど強いノイズ源から1〜2m離すか、一度電源OFFで干渉を切ると変化が分かります。
- 天候・時間帯:雨・雷雨、昼夜で状況が変わるかもチェック。「条件と症状」をセットでメモすると原因に近づけます。
※ 上記は「改善が見込める一般的な対処」です。環境・機種により効果は異なります。安全に留意して無理のない範囲でお試しください。
FMは入るのにAMだけ聴こえないのはなぜ?
FMとAMの違いをやさしく解説
- FM(周波数変調):音声を“周波数の揺れ”で伝える方式。高い周波数(VHF帯)を使い、雑音に強く音質がクリア。一方で直進性が高く、地形・建物の影響を受けやすい面もあります。
- AM(振幅変調):音声を“振幅の大きさ”で伝える方式。中波(MF帯)で遠距離まで届きやすい反面、家電などの電気ノイズに弱いのが特徴。夜は電離層反射の影響で届き方が変化し、混信やフェージング(音が強弱する)も起きやすくなります。
ポイント:FMはノイズに強く近距離で安定/AMは遠くまで届くがノイズや時間帯の影響を受けやすい——この性質の違いが「FMは入るのにAMは入らない」現象の背景にあります。
AMだけ受信できない主な理由
- 環境・遮蔽物の影響
山やビルの谷間、鉄筋コンクリート建物の内部では、AMの受信が不安定になりがち。室内配線や金属製家具が“遮へい体”になる場合もあります。 - アンテナ(内蔵バーアンテナ)の向き
多くのAMラジオは内蔵フェライトバーアンテナを使用。本体の向き(回転)で感度が大きく変化します。置き場所・向きが合わないとAMだけ弱く感じることがあります。 - 電気ノイズの干渉
スイッチング電源の充電器、LED照明、PC・モニター、Wi-Fiルーター、電子レンジ、IHなどは中波帯にノイズを出すことがあります。近接設置や同一コンセント系統だと影響増。 - 時間帯・電離層の影響
日中は地表波中心/夜間は電離層反射の影響が強まり、混信・フェージングが発生しやすくなります。局と場所の組み合わせで「昼は入るが夜は乱れる」逆パターンも。 - チューニングや設定の誤り
周波数の一桁違い・ステップ設定違い・AM/FM切替の中途半端など、わずかな選局ズレで目的局を外してしまうことがあります。 - 送信所との距離・出力・地形
目的のAM局が遠距離・低出力・山陰だと、そもそも信号が弱く、FMは地元局が強いので差が出やすいことがあります。
注記:上記は一般的な傾向と考えられる要因です。機種・設置環境により異なります。「必ず解決できる」といった断定は避け、可能性を一つずつ検証するのが安心です。
建物や環境がAM受信に与える影響

鉄筋コンクリートや地下で信号が弱くなる理由
AM電波は性質上、建物の構造や材質の影響を強く受けやすいのが特徴です。
- 鉄筋コンクリート造の建物:壁や柱に含まれる鉄筋が“電波を遮る壁”となり、AM信号を大きく減衰させます。
- 地下フロア:厚い土や壁に囲まれ、地表からの距離があるため電波が届きにくくなります。
- 断熱材・遮音材:近年の住宅に多い高性能建材も、場合によってはAM電波を弱める要因になります。
AMは波長が長いため回り込みや反射はしやすい一方、遮へい物による吸収・減衰に弱いという性質があります。そのため、同じ環境でもFMは受信できるのにAMだけが不安定になるケースが生じやすいのです。特に高層階や地下など、物理的に電波が届きにくい場所では顕著になります。
AMが夜の方が届きやすい理由
AM放送は、時間帯によって電波の届き方が大きく変化するという特徴があります。
- 昼間:太陽光の影響で電離層が活発になり、AM電波が吸収されやすくなります。そのため、比較的近距離の局しか安定して受信できないことが多いです。
- 夜間:太陽の影響が弱まり、電離層の構造が変化。AM電波が電離層で反射して地上に戻るようになり、遠距離の局でも届きやすくなります。
このため、同じラジオでも
- 昼は雑音が多い
- 夜は遠くの局までよく聞こえる
といった違いを体感することがあります。これはAM放送ならではの特徴であり、FMにはあまり見られない現象です。
ラジオ本体やアンテナの状態も確認しよう

車の中では聞けるのに家では聞こえない理由
ラジオは「どこで、どんなタイプを使うか」によって受信性能が大きく変わります。
- 車載ラジオ
車のラジオは、移動中でも安定して受信できるように設計されています。屋根やボディ全体をアンテナとして活用したり、ノイズを抑えるフィルタを搭載しているため、外部からの電波を効率的にキャッチできます。その結果、走行中でもAMが比較的クリアに入ることが多いのです。 - ポータブルラジオ
家庭用のラジオはコンパクトさを優先しているため、アンテナが小さく配置の自由度も限られます。AMは内蔵バーアンテナが一般的で、置き場所・向き・周囲の家電製品の影響を強く受けやすいのが特徴です。
そのため、「車内では入るのに家では聞こえない」といった差は珍しくありません。こうした違いを理解しておくと、「本体の問題」か「環境の問題」かを切り分けるヒントになります。
古い機種やアンテナの劣化に注意
長年使っているラジオは、部品の劣化によって受信が不安定になることがあります。
- アンテナの不具合:伸縮アンテナが固くて動かしづらい、根元が緩んで接触不良になっているケース。
- チューナー部分の摩耗:ダイヤル式の場合は可変コンデンサの摩耗で周波数が合わせづらくなることがあります。
- 内部基盤の劣化:デジタル式でも、はんだの劣化や接触不良が原因で感度が落ちる場合があります。
もし「最近、感度が急に悪くなった」と感じたら、ラジオ本体の状態をチェックするのも大切です。機種によっては、アンテナだけ交換できたり、外部アンテナを追加できる場合もあります。無理に修理せず、まずは取扱説明書やメーカーのサポート情報を確認してみると安心です。
操作や設定の思わぬミスに注意!

アンテナの向きや置き場所をチェック
AMラジオはちょっとした角度や位置の違いで受信状態が大きく変わります。特に、内蔵アンテナタイプのラジオは本体の向き=アンテナの向きになるため、以下のような工夫で改善することがあります。
- 本体を90度回してみる
- 机の端や棚の上に置いて高さを変えてみる
- 窓際に移動して外の方向へ向ける
また、部屋の中で場所を移動するだけでもノイズが減る場合があります。家電の近くや壁際は避け、できるだけ開けたスペースに置くのがおすすめです。ほんの小さな調整でも音質が改善することが多いので、気軽に試してみてください。
周波数やスイッチ設定を確認
意外と多いのが「操作や設定のちょっとした見落とし」です。
- 周波数ズレ:つまみ式ラジオでは、微妙なずれで隣の帯域に合ってしまうことがあります。
- オートスキャンの誤作動:空き周波数に止まってしまうこともあります。
- 切替スイッチの中途半端な位置:AM/FM切替が完全に切り替わっていないと、受信が不安定に。
さらに、機種によっては以下のようなスイッチ設定が原因になることもあります。
- ローカル/DX(遠距離)切替
- ステレオ/モノラル切替
一度すべてのスイッチやダイヤルを確認・リセットしてから再度周波数を合わせると、思いがけずクリアに戻るケースもあります。
家電やパソコンが発するノイズに注意!

なぜAMは身近な機器の影響を受けやすいの?
AM放送は低い周波数帯の電波を使っているため、身の回りの電子機器から出る微弱な電磁波ノイズを拾いやすい特徴があります。
- 代表的なノイズ源:パソコン、Wi-Fiルーター、電子レンジ、テレビ、スマホの充電器、LED照明 など
- 影響の例:「ジジジ…」「ブーン…」といった雑音が入り、周波数が合っていても聞き取りにくくなる
特にラジオをノイズ源のすぐそばに置いた場合、受信が極端に悪化することもあります。また、複数の家電を同時に使うと干渉が重なり、雑音が増える原因になります。
ノイズを減らすための工夫
- ラジオを家電から離す
PC・テレビ・Wi-Fiルーター・電子レンジなどから少し距離をとるだけで改善することがあります。待機中でも微弱な電磁波を出す機器もあるので注意しましょう。 - 設置場所を工夫する
窓際や高い位置など、開けた場所にアンテナを向けると感度が上がりやすいです。棚の奥や壁際は避けるのがベター。 - 利用する時間帯を工夫する
夜間は大気中の電離層の働きで、AM電波が遠くまで届きやすくなります。日中よりノイズが少なく、クリアに受信できることがあります。
こうしたちょっとした環境の工夫だけでも、ラジオの音質がぐっと改善することがあります。特別な機材を買わなくても、設置場所や時間を見直すだけで快適に楽しめるようになるでしょう。
実際に効果があった改善方法まとめ
外付けAMアンテナで大きく改善した例
市販の外付けAMアンテナを使うと、受信感度が大きく向上したという声がよく聞かれます。
- 設置が簡単:端子に差し込むだけで使えるタイプもあり、工具や専門知識は不要。
- 設置場所の自由度:窓際や屋外に設置できる長さのあるアンテナなら、より強力に電波をキャッチ可能。
- 種類が豊富:ブースター付き、コンパクトデザインなど用途に合わせて選べます。
- 価格の手ごろさ:1,000円前後から購入できるモデルもあり、気軽に試せるのも魅力。
実際に「全然入らなかったAM局が、アンテナを接続したらクリアに聞こえるようになった」という例もあり、受信改善の有力な方法としておすすめできます。
設置場所の工夫で変わる受信状態
ラジオ本体の置き場所や向きを少し変えるだけでも、驚くほど受信が改善することがあります。
- 壁際から窓際へ移動:窓際は外からの電波が届きやすく、遮蔽物の影響を受けにくい。
- 本体の向きを90度ずつ回転:内蔵アンテナの向きが変わり、感度が上がる場合があります。
- 高い位置に置く:床近くよりも棚や机の上など高めの位置が有効なことも。
- ノイズ源から距離をとる:冷蔵庫・パソコン・照明など、電磁ノイズを出す家電から離して設置。
このように、アンテナの追加だけでなく環境の工夫も重要です。
「まずは置き場所を見直す」だけでも改善するケースが多いので、気軽に試してみると良いでしょう。
AMがどうしても入らないときの代替方法

radikoを使う|エリアフリー&タイムフリーで便利に楽しむ
電波が入りにくいときに強い味方になるのが、インターネットラジオサービス「radiko(ラジコ)」です。スマホやパソコンからアクセスでき、ネット環境さえあれば全国どこでもラジオを聴くことができます。
- エリアフリー機能:自分の住む地域以外の放送局も聴けるので、地元局や旅行先で話題の番組もチェック可能。
- タイムフリー機能:聞き逃した番組をあとから再生でき、朝のニュースや深夜番組も好きな時間に楽しめます。
- 操作のしやすさ:アプリはシンプルで直感的。スマホに不慣れな方でも扱いやすいのが魅力です。
外出先やビルの中でも、安定した音質でラジオが楽しめるので、AMが受信できないときの代替手段として非常に便利です。
ワイドFMを活用してFMでAM放送を聴く
多くのAM局では、現在「ワイドFM(FM補完放送)」を実施しています。これはAM放送と同じ内容をFM帯(主に90.0〜95.0MHz)で同時に流す方式で、都市部やビル内などAMが届きにくい環境でも聴きやすいのが特徴です。
- メリット:クリアな音質・安定した受信、屋内や地下でも聞こえやすい。
- 必要な機材:ワイドFM対応のラジオやチューナー。最近はポータブル機やスマホ対応機器も充実。
- 使い方:ラジオのFMに切り替え、90.0〜95.0MHzの範囲を探してみましょう。
「AMが入らない…」と感じたら、radikoかワイドFMを試すことで、快適に同じ番組を楽しむことができます。
よくある誤解とQ&A

「ラジオが壊れた?」と不安になったときの確認ポイント
「FMは入るのにAMだけ聞こえない…」となると、つい「ラジオが故障したのでは?」と考えてしまいますよね。ですが、実際にはラジオ本体に不具合があるケースは少なく、多くは環境や電波の特性が原因です。
- 部屋の構造:鉄筋コンクリートや地下はAMが届きにくい
- 家電のノイズ:電子レンジやWi-Fiルーターが妨害源になることも
- アンテナの向きや位置:本体の角度や置き場所で感度が変化
- 時間帯の影響:昼と夜でAMの届き方が変わる
AMはFMよりもノイズや遮蔽物の影響を受けやすいため、同じ環境でも差が出ることがあります。
すぐに「壊れた」と判断するより、一つずつ原因を探っていくことが大切です。
AMが入らなくてもFMが入れば故障ではない?
結論から言うと、FMが問題なく入るならラジオ本体は正常な場合が多いです。
AMが聞こえにくい理由の多くは以下のようなものです。
- AM特有の弱点:ノイズや障害物に弱く、受信が不安定になりやすい
- 建物の影響:鉄筋建物や屋内ではAMが遮断されやすい
- 環境要因:家電・周囲のノイズ源、アンテナ位置の問題
FMがクリアに受信できているなら、内部回路やアンテナは正常と考えられます。
その場合は、ラジオの位置を窓際に移す、ノイズ源から離すなど環境を工夫することでAMも改善する可能性があります。
実体験から学んだ!AM受信を改善する工夫
実際に試した改善策とその効果
私自身も「FMは入るのにAMだけが全然入らない!」という状況を経験しました。最初はラジオの故障を疑いましたが、環境を少し工夫するだけで驚くほど改善できたんです。
- 窓際に移動:部屋の中央から窓際へ置き直しただけで電波の通りが良くなり、雑音が減少。
- 家電から距離をとる:Wi-Fiルーターやパソコンの近くは特にノイズが強かったため、離れた場所に設置。夜間は効果を実感できました。
- ワイドFMを活用:対応ラジオを使うことで、AMで入らなかった局をFMのクリアな音質で聴けるようになりました。
- ラジオ本体の向きを調整:90度ずつ回して感度を確認。わずかな角度で受信状態が大きく変わることも。
- 電源タップから遠ざける:ノイズの影響を減らす工夫で安定性が向上。
小さな工夫を積み重ねただけでも、AMがしっかり聴けるようになったと実感しました。似た悩みを持つ方には、ぜひ試していただきたい方法です。
SNSで見かけたユニークな工夫
SNSやネット上では、ちょっとユニークな受信改善アイデアも紹介されています。
- 窓枠にアルミホイルを貼る
反射効果で電波をキャッチしやすくなったという声。簡易アンテナ代わりに。 - イヤホンコードをアンテナ代わりに使う
長さを利用して外部アンテナのような働きをし、感度が上がったケース。 - ペットボトルや金属トレーを利用
水入りペットボトルを窓際に置く、ラジオの下に金属トレーを敷くなどで受信が改善したという体験談も。
これらは科学的に必ずしも実証されているわけではありませんが、「試してみたら改善した」という声がSNSで共有されている方法です。身近なもので手軽に試せる内容なので、困っている方はチャレンジしてみる価値がありそうです。
まとめ|AMが入らなくてもラジオを楽しむ工夫はたくさんある

「FMは入るのにAMだけが聞こえない」となると、ついラジオ本体の故障を疑ってしまいます。ですが実際には、アンテナの向き・置き場所・周囲の家電や建物の影響・時間帯など、ちょっとした条件の違いが原因になっていることがほとんどです。
本体が壊れていなくても、
- 窓際や高い位置に置く
- 家電から距離をとる
- 本体の角度を変える
などの工夫だけで、受信状態がぐっと改善するケースも少なくありません。
それでも改善が難しい場合は、代替手段を使うのが賢い選択です。
- radiko:エリアフリーやタイムフリー機能で、場所や時間を選ばず好きな番組を聴ける
- ワイドFM:AM局の番組をFM帯で受信でき、音質もクリアで安定
こうしたサービスや機能を利用すれば、「AMが入らないから聴けない」という状況を避けられます。スマホや対応ラジオを活用することで、より快適にラジオを楽しめる時代になっているのです。
つまり、AMが入らなくてもラジオを諦める必要はありません。少し環境を工夫したり、便利なサービスを取り入れたりすることで、これまで以上に快適なリスニング体験が待っています。ぜひご自宅でも、お気に入りの番組を安心して楽しんでみてくださいね。