ヘアクリップは毎日のスタイリングに欠かせない小物ですが、「お気に入りなのに、ばねが壊れて使えなくなった…」と残念な経験をした方も多いのではないでしょうか。
実は、ヘアクリップはシンプルな構造でできており、仕組みを理解すれば自分で修理できることも少なくありません。もちろん無理に直すのは危険ですが、正しい方法や注意点を押さえておけば、安全にばねを外したり交換したりすることが可能です。
さらに、修理が難しい場合でもリメイクや買い替えといった選択肢があり、工夫次第でお気に入りを再び活かせるチャンスが広がります。
本記事では、ばねの仕組みから修理の手順、必要な道具、修理できない場合の対処法、さらにはリメイクのアイデアまで幅広く紹介。
初心者でも安心して挑戦できるよう、よくあるミスや安全対策もまとめています。壊れてしまったヘアクリップをもう一度使いたい方に役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。
ヘアクリップのばねはどう働く?仕組みをわかりやすく解説
ばねの役割と基本構造
一見シンプルに見えるヘアクリップですが、その使いやすさを支えているのは「てこの原理」と「ばね」の力の組み合わせです。
ばねがあることで、
- 軽い力で開閉できる
- 手を離すと自然に閉じ、髪をしっかり固定してくれる
- 反発力が均一に働き、髪を均等に押さえる
といった特徴があります。これにより、長時間使ってもズレにくく、手軽に髪型を整えられるのです。
つまり、ばねはクリップの“心臓部”ともいえる、とても重要なパーツなのです。
壊れやすい原因と寿命の目安
毎日の使用で、ばねには少しずつ負担がかかっていきます。代表的な故障原因は次のとおりです。
- 繰り返しの開閉による金属疲労で、ばねが伸びる
- 湿気や汗の影響で錆びて固くなる
- 髪を多く挟んで無理に広げたときに支点部分へ負担が集中し、折れる
- 季節や環境によって金属が劣化しやすくなる
寿命の目安は数年程度が一般的ですが、
- 丁寧に扱えば 5年以上使える 場合もある
- 乱暴に使うと 1年未満で壊れてしまう こともある
といったように、使い方や保管の仕方で大きく変わります。
修理の前に確認したい!準備と注意ポイント

用意する道具と安全対策
修理を始める前に、次の道具をそろえておきましょう。
- 細めのドライバー
- ピンセット
- 小型ラジオペンチ
- (あると便利)クランプやマスキングテープ
これらの道具があれば、ばねを外したり戻したりするときに部品がずれにくくなり、作業がスムーズになります。
また、安全に進めるための工夫も大切です。
- 強い力で飛び出すことがあるため 保護メガネやゴーグルを着用
- 作業するテーブルを片付け、 白い布や紙を敷いて部品の紛失防止
環境を整えることで安全性が高まり、修理の成功率もぐんと上がります。
修理前にチェックすべきポイント
修理に取りかかる前に、壊れ方をしっかり見極めましょう。
- ばねが外れているだけ → 付け直しで直ることが多い
- ばねが折れている → 交換や買い替えが必要
- プラスチック部分にひび → 小さなひびなら応急処置可。ただし大きな割れは危険
- 金属部分の錆や支点の曲がり → 劣化が進んでいるサイン
状態によっては修理より買い替えのほうが安全で長持ちします。
修理を避けるべきケース
以下のような場合は、無理に直さない方が安全です。
- ばねが完全に折れている
- 本体プラスチックが大きく割れている
- 鋭利な部分が出ていて指を切る恐れがある
特に小さなお子さんがいる家庭ではケガのリスクが高まります。
無理に修理してさらに破損を広げてしまうより、処分や専門業者への相談を検討するのが安心です。
ヘアクリップのばねを外すコツと正しい手順
まずは支点の仕組みを理解しよう
ヘアクリップは「支点」と「ばね」が連動して動きます。
支点には小さな金属ピンやネジが差し込まれており、ここにばねがしっかりかかることで、
- 軽い力で大きく開ける
- 手を離せば自然に閉じて髪を固定できる
という仕組みになっています。
支点の構造を理解せずに外そうとすると、誤った位置に力をかけて破損につながることも。
事前に仕組みを把握しておくことで、修理がスムーズに進むだけでなく、普段の扱い方にも役立ちます。
安全に外すための手順
ばねを取り外すときは、次の手順で進めると安心です。
- クリップを大きく開いた状態で固定
机の上で安定させて作業すると安全です。 - 支点部分を観察
金具やピンをよく見て、どの方向に力をかければ外れるか確認します。 - 工具を使って少しずつ持ち上げる
ピンセットや細いドライバーで、急がず均等に動かすのがコツです。 - ばねを押さえながら外す
ばねは弾かれることがあるため、片手で押さえつつ少しずつ取り外しましょう。
袋やトレイの上で作業すると、飛んでも見失いにくいです。
無理に力を加えるとパーツが変形したり破損の原因になります。
焦らず、少しずつ丁寧に進めることが初心者でも成功しやすいポイントです。
種類ごとの修理ポイントと注意点

バレッタタイプのヘアクリップ
バレッタは金具部分がしっかり固定されているため、ばねを外すときにやや強めの力が必要です。
安全に外すコツは次の通りです。
- 細いドライバーを使い、支点を少しずつ持ち上げる
- 先端が丸いドライバーを選ぶとパーツを傷つけにくい
- 金具を動かすときは 反対側をしっかり押さえる
- 細かい部品には ピンセットを併用
こうした工夫をすれば、初心者でも落ち着いて作業できます。
バンスクリップや大型タイプ
大きなクリップは、ばねも強力なので特に注意が必要です。
- 両側を均等に持ち、少しずつ力を加える
- 片側だけに力をかけると、金具やプラスチックが変形する恐れあり
- ピンセットや小型ペンチを使うと動きをコントロールしやすい
- 作業は安定した台の上で行い、布やトレイの上で部品の飛散防止
ばねの力が強いため、無理に外さず慎重に進めましょう。
目玉クリップ・ワニ口クリップへの応用
ヘアアクセサリー以外のクリップも基本構造は同じです。
ただし、文房具用はサイズが小さいため、より繊細な作業が必要です。
- 小さい部品は ピンセットで丁寧に扱う
- 力を入れすぎず、細かい調整を意識する
- 作業台に白い布を敷くと部品を見失いにくい
- 明るい照明の下で作業する
こうした工夫を取り入れることで、失敗を防ぎやすくなります。
ばねを交換・付け直すときのポイント
再利用できるかどうかを見極めよう
折れていないばねは、状態によっては再利用できます。
再利用に向いている・向いていない目安は次の通りです。
再利用できる可能性が高いもの
- 元の形に近い状態を保っている
- 反発力がしっかり残っている
再利用は避けた方がよいもの
- 伸びきっている
- 錆びている
- 指で軽く押すと柔らかく感じる
- 形が歪んでいる
錆びや歪みは見た目以上に劣化が進んでいることが多く、使用中に突然折れる危険があります。安全に使えるかどうか、慎重に判断することが大切です。
交換用ばねの選び方と取り付けのコツ
交換用のばねは 100均や手芸店、DIYコーナー などで手に入ります。探すときのポイントは次の通りです。
- できるだけ 既存のものとサイズ・形状を合わせる
- 少し違うだけでも取り付けが難しくなり、固定力が落ちる場合あり
取り付けは「外すときの逆手順」で行いますが、注意すべき点があります。
- 作業中は ばねが飛び出さないよう片手でしっかり押さえる
- 安定した机の上で、焦らずゆっくり進める
こうした工夫をすれば、初心者でも安心してばねの交換や付け直しに挑戦できます。
100均パーツやハンドメイド素材を活用した修理アイデア

ダイソー・セリアでそろう便利アイテム
100均には、ばねだけでなく細かい部品も充実しています。
たとえば次のようなアイテムが手に入ります。
- 小さな金具やピン
- 予備のネジ
- 細かいパーツ類
あらかじめ購入しておけば、
- ばねが外れたときの交換にすぐ対応できる
- 緊急時の応急処置に役立つ
- 種類やサイズが豊富で、組み合わせて使える
といったメリットがあります。予備を持っておくことで、突然壊れても慌てずに修理できます。
リメイク感覚で楽しむアレンジ術
もしお気に入りのクリップが壊れてしまったら、修理だけでなく リメイク に挑戦するのもおすすめです。
- リボンや布を貼り付けて雰囲気をチェンジ
- ビーズやレースを縫い付けて華やかさをプラス
- 壊れた部分を隠すように装飾して“再生”
こうした工夫をすれば、まるで新しいアクセサリーのように生まれ変わります。
「世界にひとつだけのオリジナルアイテム」として再び使えるのも、リメイクならではの魅力です。
スプリング式とキックばねの違い&交換のコツ
スプリング式の特徴と交換ポイント
スプリング式は最も一般的に使われているタイプで、耐久性が高く日常使いに適しています。
メリット
- 丈夫で長く使える
- 交換が比較的簡単
注意点
- サイズや太さが合わないと、うまく機能しない
- 元のばねにできるだけ近いものを選ぶのが大切
- 取り付け時に無理な力を加えると支点を傷める可能性あり
交換前には形状・寸法をしっかり確認し、慎重に作業しましょう。
キックばねの特徴と交換時の注意点
キックばねは、はね上げ式クリップなどに使われる特殊なタイプです。コンパクトながら強力な力を持っています。
特徴
- 小さいサイズでも強い力を発揮
- 主に特殊なクリップに採用
注意点
- 取り付け方向を間違えると、開閉がぎこちなくなる
- 元の向きを 写真に撮っておく と安心
- 取り付け時は左右のバランスを意識して均等に力を加える
正しい向きとバランスを意識すれば、安定した仕上がりになります。
修理後に長持ちさせるためのお手入れ術

開閉の仕方と日常の扱い方
ばねを長持ちさせるには、日常のちょっとした意識が大切です。
- 一度に大きく開きすぎない
→ 支点部分に強い負担がかかり、ばねの劣化や破損の原因に。 - 無理な力を加えず、ゆっくり開閉する
→ 自然な動きで扱うことで寿命がぐっと延びます。
小さな積み重ねですが、この習慣がクリップ全体を長持ちさせるコツです。
ばねを守る保管とメンテナンス
使った後の保管やお手入れも、ばねの寿命に大きく影響します。
- 湿気の少ない場所で保管
→ 浴室や洗面所は避け、乾燥した部屋や収納箱がおすすめ。 - 柔らかい布で軽く拭く
→ ほこりや皮脂汚れを取り除くことで錆びにくくなる。 - 必要に応じて防錆ケア
→ シリコンスプレーや防錆剤をほんの少量塗布すると効果的。
こうした簡単なお手入れを続けることで、修理後も安心して長く愛用できます。
初心者でも安心!失敗しないコツと注意点
指をケガしないための工夫
安全に作業するためには、事前の準備とちょっとした工夫が大切です。
- 安定した机の上で作業 → 手を滑らせにくく、集中しやすい
- 周囲を片付けてスペースを確保 → 思わぬ事故を防げる
- 軍手や薄手の手袋を着用 → 小さな傷を防ぎ、すべり止め効果で部品もつかみやすい
こうした工夫を取り入れるだけで、安心感がぐんと増します。
ばねの飛び散りを防ぐ工夫
作業中にばねが勢いよく飛んでしまうのは、初心者によくあるミスです。対策はシンプル。
- 袋や箱の中にクリップを入れて作業
- 透明な袋や浅めの箱を使うと視認性が良い
- 落ちてもすぐに見つけられ、紛失の心配が減る
小さな工夫ですが、これだけで「部品が飛んで探すのに苦労した…」という失敗を防げます。安心して修理に集中できますよ。
修理できないときの選択肢

買い替えを検討すべきタイミング
次のような状態なら、無理に修理せず買い替えがおすすめです。
- プラスチック部分が欠けている
- 全体が大きくぐらついている
- 使用中に壊れて髪や手を傷める恐れがある
無理に直そうとすると、他のパーツまで破損してしまうこともあります。
安全を第一に考え、買い替えを選ぶ方が安心です。
専門修理サービスに依頼する場合
お気に入りのブランド品や高価なクリップは、専門店に相談するのもひとつの方法です。
- 専用の道具や技術を持つスタッフが対応してくれる
- 細かい部分まで丁寧に修理してもらえる
- 費用はかかるが、仕上がりは確実で安心感がある
「長く使い続けたい大切なアイテム」なら、プロに任せるのが安全で確実な選択です。
壊れたヘアクリップを再利用!リメイクアイデア集
アクセサリーや小物にアレンジ
壊れた金具部分を外して工夫すれば、新しい小物として生まれ変わります。
- 布やレジンで飾りをつけて ブローチやバッグチャームに
- ラインストーンやパールを加えて華やかに
- 革やフェルトを貼り合わせてオリジナルデザインに
シンプルから豪華なアレンジまで自由自在。
お気に入りのクリップを「世界にひとつのアクセサリー」として蘇らせられます。
子ども用・ペット用に安全リメイク
小さな飾り部分だけを残して、別のアイテムに付け替えるのもおすすめです。
- ヘアゴムに付け替えて子ども用アクセサリーに
- ペット用の首輪飾りに
- バッグのファスナーにチャームとして取り付け
- ポーチや帽子に縫い付けてワンポイントに
アイデア次第で使い道は広がります。
壊れてしまったクリップも、新しい形で活躍できるのは嬉しいですね。
まとめ|ヘアクリップのばね修理でお気に入りを長く愛用しよう
ヘアクリップは小さくても、毎日のスタイリングを支えてくれる大切な存在です。
仕組みを理解しておけば、自分の手で修理して長く使うことも可能になります。
さらに、修理が難しい場合でも、
- リメイクで新しいアイテムに生まれ変わらせる
- 安全を優先して買い替える
といった選択肢があります。
お気に入りを「直して使う」「工夫して活かす」ことで、モノを大切にする喜びや、自分で手を加える楽しさも味わえます。ぜひ今回ご紹介した方法を参考にして、愛用のクリップをこれからも長く日常に取り入れてみてください。